血液浄化療法部
- 高度な先進医療

高度な先進医療

本血液浄化療法部は、日本で最初に透析療法を開始した機関の一つであり、長い臨床経験を持ち、信頼される医療の提供を行っております。
近年、糖尿病や腎硬化症による末期腎不全のように、透析導入以前よりすでに心疾患、動脈硬化性の血管障害、神経障害など全身の障害を有する治療の難しい症例が増加しております。また日常の透析における様々な合併症について大学病院での治療が必要になる場合が少なくありません。こうした透析困難例を含む重症透析患者さんに対しても安全な透析療法を提供できるよう努力しております。
現在14床が稼動しており、血液浄化療法の総件数も15年前と比較して倍以上となり6,000件を超えておりましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症流行に伴う入院制限にて大幅に減少しました(下図)。

血液浄化療法部における血液浄化療法実施件数の推移(1月1日~12月31日)

さらに血漿交換(PE)、選択的血漿交換(SePE)、LDL吸着、血球成分除去療法(CAP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、持続的腎代替療法(CRRT)などの高度で先進的な血液浄化療法も多数施行しております(下表)。

血液浄化療法部における血液浄化療法の治療法別件数の推移
  HD
(HDF
含む)
CRRT PE,
SePE
LDL
吸着
CAP CART
2020年 3335 519 249 44 54 44
2019年 5378 492 367 62 147 20
2018年 5327 439 330 78 213 32
2017年 5732 525 202 108 135 28
2016年 5697 379 239 99 87 23
2015年 5058 597 349 113 54 11
2014年 4790 249 257 79 51 12
2013年 4510 339 128 84 39 9
2012年 4403 526 163 99 62 6
2011年 4536 1022 182 44 26 0

血液透析の施行はもちろんのこと、神経難病や膠原病や皮膚疾患に対する血漿交換(PE)や選択的血漿交換(SePE)そして免疫吸着の施行、そして潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患に対する血球成分除去療法(CAP)の施行などの難病を中心とする自己免疫疾患に対する特殊血液浄化療法の実績は、国内でもトップレベルであり、豊富な経験と実績を有しております。
特に選択的血漿交換(SePE)については日本で随一の業績を誇っております。2020年の全国42国立大学医学部附属病院の血液浄化部門において、当部の血漿交換は第1位、また血液浄化療法の総件数は第5位であり、高い診療実績を誇っております。
こうした診療実績の甲斐もあり、一つの治療法に縛られず、患者さん毎の病態に応じた治療法やスケジュール調整なども積極的に行うことが可能であります。患者さんの予後やQOLの改善に今後も努めてまいります。