ヒトの遺伝子は4種類の塩基(化学物質)の組み合わせで構成されており、その遺伝子の変異によってさまざまな病気を引き起こす事が知られています。遺伝性の腎臓病もこの例外ではなく、多発性嚢胞腎や腎性尿崩症,Bartter(バーター)症候群やGitelman(ギッテルマン)症候群といった腎臓病も、その大半が遺伝子の変異(置換、挿入、欠失など)によって引き起こされる事がわかっています。これらの遺伝子変異を調べる事は、
その病気であると確定診断することや適切な治療選択を受けること、遺伝カウンセリングによる相談ができるという点でも重要と考えられます。これに加えて、新しい病気の原因や治療法をつきとめる事にもつながる可能性があります。東京科学大学腎臓内科では、近年開発された
次世代高速シークエンサー(Next generation sequencing: NGS)という機器を用いて、腎臓病に関連する数百種類の遺伝子を同時に診断するという試みを世界に先駆けて行っています。