柳智貴 先生, 菊池寛昭 助教らの論文が Kidney International(IF: 14.8)に受理され、プレスリリースされました。
東京科学大学腎臓内科学分野の腎臓内科の蘇原映誠 准教授、血液浄化療法部 菊池寛昭 助教、大学院生の柳智貴 先生らは、細胞内エネルギーセンサーであるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMP-activated protein kinase:AMPK)におけるエネルギー状態感受性の制御にAMPKと結合するULK1(unc-51 like autophagy activating kinase 1)が関わっていることを世界で初めて明らかにしました。その研究成果は、国際科学誌Kidney International(IF: 14.8)に、2024年10月18日午前9時(協定世界時)にオンライン版で発表され、Science Tokyo のページでプレスリリースを実施されました。
研究の要点:
・慢性腎臓病の腎臓では、細胞内のエネルギー状態が不良であるのにもかかわらず、エネルギー恒常性を制御するAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)がAMPに十分な反応をせずに活性化されない事を蘇原映誠 准教授/菊池 寛昭 助教らは2019年に報告していました。
・しかし、AMPKにおけるエネルギー状態(AMP/ATP比)の感知機構が制御されているかは長らく不明でした。
・今回、ULK1 (unc-51 like autophagy activating kinase 1) が AMPKへのAMP結合、すなわち感知の制御に関わっている事を世界で初めて明らかにしました。
・本研究の成果は、慢性腎臓病に限らないAMPK活性低下型の疾患病態解明と、新規治療法開発への応用が期待できます。